底無しの策士【リヴァプール×チェルシー】
昨季のベースにルカクを加えたチーム、アンフィールドとはいえ3ポイントを狙える期待感がありました。
前半は満員の観客に迎えられ、ビッグマッチらしいエキサイティングな展開。
攻勢を強めたのはリヴァプールでしたが、ジェームズのCKからハヴェルツのヘッドでチェルシーが先制。
お互いにチャンスを迎える展開で、前半はこのままと思った45分。
ジェームズがゴールライン上でハンドをとられ、PKとレッドカード。
ルール通りなのですが、ルールが厳しいと思ってしまいますね。
ルール上はレッドが正しいが、厳しく感じるし試合を台無しにすることを嘆く声が多い。
— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) 2021年8月28日
私も同感に近い … だって見て興奮する前半が攻撃🆚守備の後半に変わってしまった … だが、重い処分にしないとゴールをハンドで阻止する「手」があることになり得る … 難しいね。 https://t.co/1ZuOkL56si
これで1-1、さらには数的不利となりますが、PKとなった時点からトゥヘルは後半の戦い方に目を向けていました。
チアゴ・シウヴァとコヴァチッチを加え、5-3-1のブロックを形成。
前からは追わず、ミドルシュートとサイドからのボールは許容。
拾ったボールはすぐクリアせず、ルカクの前線への到達を待って、チーム全体を押し上げながら、ゴールを目指す。
PKの判定に熱くなったチームを落ち着かせ、精神論や身体を張ることではなく、明確な策をチームに与えたトゥヘル。
どんな状況でも、どうすれば勝ち筋を拾えるか、可能性を高められるかの解答を導き出すことに、自軍の監督ながら恐ろしささえ感じました。
この指揮官について行けば。と感じさせてくれましたね。
安定したセービングを見せたメンディ。
32歳の誕生日にプレミアリーグ300試合出場を飾った、守備の教科書アスピリクエタ。
持ち前の読みとカバーリングに磨きをかけ、身体も大きくなったと感じるクリステンセンはMOTM。
対人能力の強さ加え、年齢を重ねるごとに深みを増すリュディガー。
ポジショニングと判断を間違えない、こちらも教科書チアゴ・シウヴァ。
守備陣は盤石で、これからも精度を上げていきそうですね。
中盤を締めてボール保持時には流石の捌きを見せたジョルジーニョ、マウント。
10人でゴールまで運ぶエンジンとなったコヴァチッチ、アロンソ、ルカク。
全員が見事でした。
試合後にお互いを讃え円陣を組んだ選手達と、一人ひとりに"very good."と声をかけていたトゥヘルが印象的でした。
試合前に狙った結果ではなかったとはいえ、アンフィールドで後半を10人で戦い1-1。
試合前に聞いていたら充分すぎると感じた結果でしょう。
It wasn’t the result that we expected, but we had a great team spirit. Let’s keep going 👊🏽 @ChelseaFC #ThiagoSilva #ChelseaFC #NewSeason #CFC #Chelsea #LIVCHE pic.twitter.com/Q969DUKSuZ
— Thiago Silva (@tsilva3) 2021年8月28日
いつもより長くなってしまいましたが、そのくらいチームの完成度と、トゥヘルの引き出しの多さ、対応の早さに満足してしまう試合でした。
早く次が観たいですね。
それでは。