自由と枠組み【日本×オマーン】
2022年のカタールW杯に向けたアジア最終予選が始まりました。
結果はオマーン相手にホームで0-1の敗戦。
4-3-1-2のオマーンに対して、有効な攻撃を仕掛けることが終始できませんでした。
逆にオマーンは中央にブロックを敷いて日本のストロングである大迫、その後ろでプレーする鎌田に対してのボールをシャットアウト。
また、攻撃面では日本のSBとCBの間をうまく狙い、チャンスを作ってきました。
今回の敗戦は日本サッカーの危機として重く捉えなければなりません。
前回のW杯最終予選もUAEに敗れてのスタートとなりましたが、そのときと違うのは内容を含めて完敗だったということ。
これまでも難しかった最終予選ですが、その「難しさ」は引いてくる相手をどう崩すか。でした。
しかし、今回オマーンはただ引いてきたのではなく、日本を分析し、明確に戦術を施され、それを遂行してきました。
日本は90分間ずっと、オマーンの手のひらにいました。
振り返れば2018年。
日本はロシアW杯直前にハリルホジッチ監督を解任しました。
理由は選手とのコミュニケーションの問題であり、それを解決するため日本人が監督を勤めるべきとされました。
その後のチームの活躍は見事で、ベスト16進出、ベルギーに対して一時2点をリードする躍進を見せました。
ただ、舵を切った方向は正しかったのか、今あらためて問われている気がします。
今回敗れた相手は、イランや韓国、オーストラリアといった、W杯の常連国ではありません。
過去12戦で9勝3分無敗、グループでは4,5番手のオマーンです。
そのオマーンが、日本の特徴を分析し、戦術によって完勝する。
アジアのレベルはそこまで上がっています。
日本らしいサッカーを目指すことを掲げ、選手のプレーや考えを尊重する。
ロシアではうまく行きましたが、その後の経過はどうでしょうか。
2019年のアジア杯、2021年のオリンピック、そして最終予選。
相手に対策されたときに覆す策があれば。
技術で上回る相手に、組織で対抗する枠組みがあれば。
ヨーロッパでプレーする選手が増え、個々のレベルはかなり高いところまで来ました。
必要なのは勝利に導くための戦術を施せる監督、コーチではないでしょうか。
オリンピックでの久保の涙からは、与えられた自由以上に、課せられた責任と重圧の方が大きかったことを想像してしまいます。
すぐに迎える中国戦。
森保監督にはチームを勝利に導く手腕を期待したいです。
それがなければ、日本サッカー界は手遅れになる前に舵を切り直す必要があるかと。
どうしても、W杯で日本を観たいです。
それでは。